Cotton Candy【ベリカ限定】
中に入ってすぐ、雅は奥の部屋からタオルを持って玄関に戻って来た。


「ほら、早く拭け。それから、風呂沸かしてやるから入れ」


ずぶ濡れのあたしに、彼がそれを差し出しながら言った。


「イイ……」


あたしはタオルは受け取らずに、首を小さく横に振った。


「何かあった……?」


あたしがもう一度首を横に振ると、雅は困ったように笑って髪を拭いてくれた。


彼の指先が触れた途端、胸の奥が熱くなるような切なさを感じた。


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