いつか、眠りにつく日
 竹本、いや、化け物の口から黒い煙のようなものが爆発のように吐き出され、クロが地面に転げた。

「クロ!」
叫ぶ声も、爆音にさえぎられている。

「蛍、来るな。離れてろ!」
俊敏に体制を立て直すと、クロは言った。

 竹本の目が私を捉えた。
「あきらめん、この時を待っていた、あきらめんぞ」
身体をこちらに向け、黒い煙を吐き出す姿勢に入った。

 逃げなきゃいけないのに、ガタガタと身体が震えるだけで身動きがとれない。

 クロが間に割り込むように立つ。

 再びクロの手が青く光ったかと思うと、化け物に向かって一直線にそれを放った。








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