いつか、眠りにつく日
 黙って私もついてゆく。

「あの子、あの女の子はやっぱり呪縛霊なの?」

「見てのとおりだ」
こっちを振り返りもせずに言う。

「なんだか悲しい目をしてたな・・・」

「みんなそうだ」

「え?」

 クロが振り返って私を見る。
「呪縛霊は、みんな悲しみのかたまりだ。深い悲しみに動けない悲しい霊だ」


「・・・」

「お前もせいぜい、そうならないようにするんだな」
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