ビロードの口づけ
 その歪んだ論理が理解できない。

 太股を撫でていた手が内股に回って、ゆっくりと上に上がっていく。
 ゾクゾクとした感覚が、背中から頭の芯まで痺れさせる。

 逃れようと足を動かすが、身体を押さえつけられているせいで思うように動かせない。
 足の付け根に到達した手は、下着の中に侵入してきた。

 これまでとは比べものにならない刺激が突き抜ける。
 思わず声が漏れそうになり、クルミは歯を食いしばりギュッと目を閉じた。

 ジンは空いている左手でクルミの髪をひと撫でし、頭を抱えるようにして激しく口づけた。

 絡まる舌とうごめく指が、クルミの意識を翻弄する。
 口を塞がれ言葉にならない声が、のどの奥から漏れた。

 一瞬唇を離したジンが、耳元で嬲るように囁いた。


「あんた、感じてるだろう」


 そして再びクルミの声を封じるように唇を塞ぐ。
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