君に夢中


その日からわたしは
笑うということを出来なかった。
毎日、毎日泣いていたお母さんの
背中を見ながらわたしも泣いていた。



学校では“人殺しの妹”と言われていた。
下校途中は友達のお母さんたちにじろじろと見られた。
好きだった男の子には
「人殺しの妹といたらいつ殺されるか分からなくて
怖い。近寄るな。」
と言われてその男の子の友達を始めクラス…学年…
みんなにいじめられた。



絶えられなくなってお母さんに話した。
そしてわたしが中学校1年生のとき、お父さんと離婚をしたと同時に
遠く離れたところへと引越しをした。
新しい学校にはわたしの過去を知ってる人はいなかった。
仲のいい友達もできた。








毎日、笑っていた。
お母さんもだんだんとあの事件も前に戻ってきていた。

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