海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
上の制服を握りしめ、懸命に伝えた。


しかし卓磨君は何も読み取れない目で、ジッとこっちを見てるだけ。


私は勇気を振り絞って、言葉を続けた。



「お願い…“卓磨君”」



人前じゃあ前の“桜土君”のまま通していた私が名前で呼んだ為、男子3人は驚いた顔。


「………」


「卓磨…行ってこいよ」


「ホラ……」


冬柴君と茶竹君に促され、卓磨君は腰を上げてくれた。


良、良かった……ひとまず第一難関突破だ………


「―――どこ行くの?」


卓磨君が少しだけ目を合わせて聞いてくれただけで、凄い嬉しかった。
< 295 / 403 >

この作品をシェア

pagetop