さよなら、…ありがとう
「みっちゃん、テンション低いよー?
しんどい?」
「大丈夫だよ(誰のせいだ…)」
心の中で怒りをこらえる。
すっきりできたらいいのに。
席に座って、荷物を出す。
一限目は…英語だ。
よかった…離れられる。
授業が神様に見えてきた。
「ミスキ、おはよう」
「…おはよう」
後ろから声をかけられた。
坂内鳴衣(サカウチ ナルイ)。
槙と同じで、クラブが一緒だったので仲は良い方だ。
…この子はあまり何とも思わない。
たまに嫌だけど。
「ミスキ、一限目何?」
「英語」
「英語かぁ…大変やな」
「そうでもないよ」
早く会話を打ち切りたいのに、なかなか終わらせてくれない。
その時、視線を感じた。