明日目が覚めたら
「女王さま、素敵な人よね~。」

ウルルは広いベットに仰向けになって大きく伸びをした。

身分とか、地位とか、そういうものがあるから

余計なことに悩む。

それがなければ一人一人が

意志や夢を持つ人間なのだ。

そんな、世の中を作ることができたらいい。

豊かで、住む人が心から笑顔でいられる国。

アセンデルフは果たしてそんな国なのだろうか。

ウルルが思いを巡らしているところに、

扉を叩く音がする。

「姫さま、お休みですか?」

サンドラだ。

「いいえ、入って。」


「姫さま申し上げにくいんですが…」


「何?言って。」


「アレクが街へ出かけたようです。

 多分サラの所へかと。」


「そ、そう。いつものことじゃないの。
 
 アレクはいつだって街に調査に出ているでしょ。」


「それが、サラのところでもですか?」

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