片想いだったね
「てめーらも何で止めねーのよっ!!」
誰かが叫んでいる。
「美紀っ!!」
もう起き上がれない私の横で聞こえてきた声は、さっき私の腕を強く掴んだ翼だった。
「……翼。」
「美紀大丈夫か?」
「……大丈夫なわけないじゃん。」
周りにいた男子も女子も気まずそうにその場から立ち去って行く。
当人の景子ですら逃げるようにその場から居なくなってしまった。
「……まっす、まっすは?」
「うっち~が保健室連れてった。」
「……あぁ。良かった。」
全身痛い身体を無理矢理起こしてその場に座り込む。
口の中がサビ臭い。血なのかな。
顔を触る場所全てがジンジンと痛くて、ここまで派手に動いた事が無いから腕も足も全部が痛い。
「……私も保健室行く。」
「美紀、俺が連れてくから。」
「………………………。」
さっきの翼を思い出して、
怒りで上がったテンションはスーっと落ちていって、
「………要らない。一人で行く。」
と、翼を断ってヨロヨロとゆっくり廊下を歩く。