記憶 ―砂漠の花―


「…どうした?リオン。」

「もう!お酒の飲みすぎなんじゃないの~?人が真剣に話してるのに!」

アランが頬を膨らませ、リオンさんを睨んだ。


「いや、…すまん。本当にこの御一行は豪華だな。まさかシオン国の次期国王までいらっしゃるとは!」

『あ…』と全員が我にかえる。

あまりに自然に話していたが、先程まで身分を隠していた事を思い出した。


「はははっ…!本当に素晴らしい会合だな!」

そう笑うリオンさんにキースが同調しながら言った。


「では、そろそろ『反乱軍リーダー』が、なぜこんなにも国の内部に詳しいのか、皆にも明かしたらどうだ?リオン様?」

「……様…?」

「そうだな!」

私とアズとアランは、ただ訳も分からずに笑い合う二人を見つめていた。


「改めて、サザエルにようこそ!私は女王リフィルの弟、リオン!…これでもサザエル王家の人間なのだよ!」

『―――!?』

ぽかん、と言葉を無くし、ただ口を開く私たちを見て、二人は互いのカップを乾杯しながら笑いを堪えていた。

本当に、
なんて豪華な会合だ…。
未だ私の口は塞がらない。


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