記憶 ―砂漠の花―
その視線に気付いたアランは、
「えっ?何?俺を見直したって~?ちなみに、あのバリアは海上はもちろん、海の中、地下、上空までバッチリよ!?」
と、おどけて親指を立てた。
アズはそんな様子のアランに、溜め息を漏らしながら会話を続ける。
叔父様に向けて…。
「じゃあ、やはり。こちらもバリアで対抗するしかないんじゃ…」
「ところがっ!!一つ方法があるんだな~。」
アランが私からやっと離れると、私たちの前に立ち、ピッと今度は人差し指をあげる。
「瞬間移動ッ!」
「瞬間移動!?誰がそんな事出来るんだよ!?」
アズが威張るアランにとうとう牙をむく。
「そんなの、この俺様に…!…出来るわけないじゃない、ねぇ…?」
「お前、出来もしない事を言うなよ!あと、アイリに触るな!」
あぁ…、
普段はあまり怒らないアズが怒った。
とうとう、直接対決となってしまった。
幼い頃の記憶では、確か…
この二人が喧嘩し出すと、なかなか止まらなかった様な気がする。
それまで黙っていた叔父様が、
「まぁまぁ、アズ。私やアズ、もちろんアランにも出来ないが、出来る人間が一人いるだろう?」
と、私を指差して微笑んだ。