Raindrop
「ふふ、まだ時間はあることだし、ゆっくり考えてね。あと、準備しておくことはあるかしら……」

「はい、はーい!」

花音が元気良く手を上げる。

「水琴せんせーの結婚お祝いパーティしたいですっ!」

「え……」

花音の言葉に、水琴さんは一瞬だけ言葉を失った。

「あ、ええ、嬉しいのだけれど……」

少し戸惑うった様子の水琴さんに、花音は眉を八の字にする。

「だめ? 忙しいですか……?」

丸い目を歪めてうるうると水琴さんを見る花音に、拓斗が慌てたようにフォローに入った。

「花音、先生も色々と忙しいんだから、無理いっちゃ駄目だよ?」

「でもぉ……大好きなせんせーのお祝い、したかったんだもん……」

水琴先生の置かれている状況を良く知らない花音からすれば、大好きな先生をお祝いすることは当然のことだったのだろう。

駄目だよと言われて、しゅん、と項垂れてしまう。

そんな花音に、水琴さんは微笑みかけた。

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