冷血ボーイ
「そう……ならいいけど」
「うん…」
まだ畳まれていないあたしのタオルを乱暴に取って畳んだ。
何でわかったんだろ…?
あたし、家では普通にしてたつもりなのに。
リビングを出て行こうとするお母さんは、ガチャっと扉を開けてから、あたしの方を振り返った。
「悩んでたってしょうがないことだって、世の中たくさんあるのよ?その日のことを悩んでたのに、いざその日になってみると、あっけなく終わっちゃうことなんて、たくさんあるんだから」
「……」
なぜか遠くを見つめるお母さん。
口元の広角が少し上がっているように見えた。
「まだひまわりは18年しか生きてないんだから。高校生にしかないノリと根性でどうにでもなるわよ。大人になればその日のことを思い出して笑える日がくるわ」