冷血ボーイ




「そう……ならいいけど」


「うん…」




まだ畳まれていないあたしのタオルを乱暴に取って畳んだ。




何でわかったんだろ…?




あたし、家では普通にしてたつもりなのに。




リビングを出て行こうとするお母さんは、ガチャっと扉を開けてから、あたしの方を振り返った。




「悩んでたってしょうがないことだって、世の中たくさんあるのよ?その日のことを悩んでたのに、いざその日になってみると、あっけなく終わっちゃうことなんて、たくさんあるんだから」


「……」




なぜか遠くを見つめるお母さん。

口元の広角が少し上がっているように見えた。




「まだひまわりは18年しか生きてないんだから。高校生にしかないノリと根性でどうにでもなるわよ。大人になればその日のことを思い出して笑える日がくるわ」



< 269 / 312 >

この作品をシェア

pagetop