~校内恋愛禁止ですっ!!~

◆ ◆ ◆



目に映るのは真っ白な天井。

すこし鼻にツンとくる消毒液の臭い。

朦朧とした意識のなか、起き上がった。



「どこだ、ここ……?」

「保健室だよ」

「あ、岸谷……」



近くの椅子に岸谷が座っている。

いつも通りの温かい笑顔。

しかしどこか悔しさが混ざっているような。

とても複雑な笑顔に見えた。



「俺なんでこんなところに……」

「倒れたんだよ。覚えてないの?」

「あぁ、そうか……」



俺は少し俯きながら応えた。



「オマエがここまで運んできてくれたのか」

「違うよ」



岸谷はベットの方に目を配った。
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