~校内恋愛禁止ですっ!!~
黙々と本を読み続ける岸谷先生を、私はただひたすら見ていた。
どちらかと言うと、見とれていたって言うのかな?
メガネや人柄のせいか、岸谷先生はとても本が似合う。
時々何か知識を得た喜びが、ニッコリと表情に出るのがまたいい。
何のためにお店に入ったのか。
いまはそんなことどうでもいいや。
「あのー、めぐちゃん?」
「はい」
「その、ずっと見られてるとなんだか恥ずかしくて……」
「わわっ、ごめんなさい!!」
「ううん、いいんだよ。謝らないで」
岸谷先生はその大きな手で私の頭を撫でた。
ゆっくりと伝わる岸谷先生の優しさ。
ちょっと嬉しかった。