ありがとう…ごめんね。

助けて！この言葉だけが頭を駆け巡った。
ただ、助けてほしくてドアへの体当たりを続けた。
すると外から「開けて下さーい。警察でーす。」と、繰り返し聞こえた。
「開けて下さーい。あと1分以内に開けないと、無理やりあけますよ？」色んな声が聞こえたあと、「ウィィイイイン…ガリガリガリガリ」と、頭に響く音がなり始めた。
私は体当たりをやめ、何をしているのだろう？と考えた。もしかしてドアを切っているのかな？と思ったけれどそんな事はないだろうと思った。
「ウイイィン…ドン…ドン…バァアアン」「あいたぞ！ひかるさーんどこですかー？」そんな声が聞こえて来た。また、ドアに体当たりした。すると「ここですね！ドッ…ドアがあかない。」この声は誰の声だろう？そんなことを考えていると光輝らしき人物の声が聞こえて来て、「ひかる！下がれる所まで下がれ！そう言われベッドの所まで転がった。「ゴツン！！」そんな音を合図に「ダダダダ。バキッッ！バンッッ！」その音とともに部屋に光が入って来た。今は昼なのだろう。「ギューー」痛いくらいに光輝に抱きつかれた。そして「馬鹿野郎！！お前はなに護衛なしで外、出歩いてんだよ！心配するだろーが！ドアホ！このまま死んでたらどうすんだよ。もしも、俺が見つけれなかったらどうしてたんだよ！誰もお前に気づかなかったかもしれなかったんだぞ！なんでメールしてこねーんだよ…」言いたいことを言い終えたのか離してくれた瞬間光輝の顔が驚きの顔になった。「なんでお前血だらけなんだ？」私の口に巻いてある布をほどきながら聞いてきた。そしてなぜか水を飲ましてくれて、「質問に答えろ」と偉そうに言ってきた。「昨日…お…母…さん…に…いっ…ぱい…な…殴られ…た…から…？」上手く喋れない私の言葉をわかってくれた光輝。「ありがとう。身体中痛いのに、音を出してくれて…もう大丈夫たから…何があっても俺がお前を護りきる。お前のお母さん今どこにいるんだ？」
「い…ま…な…んじ…？」
「あ？今か？2時30分だ。」
「き…と…会社…」
「どこにあるんだ？」
「ここから、5分くらいの場所。」ようやく普通にしゃべれるようになってきた。