シュレーディンガーのみにゃこ【その一】


「ポ、ポルトガル
押しなんです、私…」

受話器の向こうは溜息の気配。

編集様は噛んで含める様に
丁寧な言い回しで私に向かって
こう言った…

「先生、大学時代に外国語は
何を専攻されて
おりましたっけ?」

そう問われて、私は更に
追い詰められる。

御指摘通り外国語は英語を
選択した、ポルトガル語なんて、
かすってもいやしない。

更に英語すら怪しい物が有り、
何やってたんだって言われたら、
反論の余地は無い。

しかしだ、

それだけ文学部で日本文学に
のめり込んだと言う自負は有る…

のだが、今の議論にそんな事は
全く役に立たないね…
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