チョコレートトラップ
こんなにポスターが

貼られた状況で、

高橋くんが見ないワケがない。


これを見て、高橋くんは

一体どう思うのだろうか。


……真に受けたりなんて、

しないよね?


ウソタに対する怒りよりも、

誤解が生まれてしまう不安で、

胸がぎゅっと

締め付けられて苦しくなる。


「凛、どうしよう。

 もし高橋くんが、

 これで誤解しちゃったら……」


すがるような目で見つめる私に、

凛はふわりと優しい笑顔を向けた。


「大丈夫、とは

 言い切れないけれど……。

 芹菜が真っ直ぐに

 高橋くんを想って、

 気持ちをしっかり伝えなくちゃね」


凛の言葉に、

私は小さくこくんと頷いた。






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