チョコレートトラップ
お昼休みの終わりを告げる

チャイムが鳴り響き、

凛と別れた私は

ずしりと重い心を抱えて

教室へと戻った。


私が入った瞬間、

教室内の空気ががらりと

変わったのを感じる。


午前中のそれとは全く別物の、

まるで父親が

つまらないオヤジギャグを言って

すべった姿を見るような目。


クラスメイトみんな、

ウソタの作ったポスターを

真に受けてしまったの?


あんなデタラメ、

なんで簡単に信じてしまうのだろう。


好奇な視線を感じないように、

机に突っ伏す。


これじゃあ、午後の授業なんて

まともに受けられない。


もう、授業なんてどうだっていい。


そんなことを思っていると、

教室のドアがゆっくり

ガラガラと開いた。






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