チョコレートトラップ
「4組、高橋比呂。

 キミに答辞を述べてもらう」


やっぱり。


高橋くんは成績が常に学年トップで、

しかも運動神経も優れている。


その上、

先生方からの信頼が厚ければ、

選ばれるのも当然だ。


名前を呼ばれた高橋くんは、

「はい」と大きく返事をして、

学年主任が立つ方へと歩き始めた。


そして、

私たちの前にすっと立ったかと思うと、

ゆっくりと深く一礼して

ふわりと微笑んだ。





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