チョコレートトラップ
私は大きく

首を横に振った。


今の私の中に、

高橋くんへの気持ちは、ない。


御伽噺のように

泡となって消えて

なくなってしまっていた。


「そんなことないよ。

 だって私、

 今の高橋くんの気持ちに……」


「やっぱ、女子の

 長い長い片想いには敵わねーな」


私の言葉を遮るようにして

呟いたウソタの目が、

うつろで寂しげに見えたのは、

私の気のせいではないはずだ。






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