チョコレートトラップ
授業終了のチャイムが

校舎内に鳴り響く。


「課題、忘れるなよ」


英語担当教師が

生徒たちへ声をかけると、

足早に去っていった。


やっと、4時間目が終わった。


いつもよりも長く感じたのは、

多分、気のせいじゃないはず。


授業中でさえも

ひそひそと話す人の声は届いていたし、

そこら中から視線を感じていたから。


ウソタの言うことを、

みんなそんなに信じちゃうの?


ウソタの口から出る言葉は

ほとんどが「嘘」だって、

この学年の誰もが

知ってることのはずなのに。


恋愛話になると、

それはどこかに

吹き飛んでしまうものなのかな。






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