背徳の夜



愛してないくせにキスをねだるように近づけてくる唇を一瞬だけ焦らす。


たったそれだけのことで欲求は高まり、手に追えないものへと変貌する。


回された腕の冷たさにまるで世界から切り取られたような空間を感じて、それが更にあたしを刺激する。


彼女より唯一上にいることが快感へと繋がる。


差し込まれる舌を押し出して

「ねえ」

と声を出す。


「……あ?」


堪らない刺激を生むその声。


背徳の中だからこその満たされる熱。


息を漏らしたような声に全身が痺れるような、寒くて冷たくて残酷な夜。




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