Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「そんなめんどくさいことしなくてもあっちから言い寄ってくる 」
「……」
確かにかつての恭介さんには黙っていても女性が近づいてきていた。
ま、今もたまにあるんだけど。
でも、奥様にそんなことを話す旦那様ってどうなのよ。
それは自慢話なんですか?
「ククク…剥れんな」
「剥れてません」
「俺がな、あらゆる手段を用いて口説いたのは、お前だけだ」
「は、はぁ?」
あらゆる手段って…
「ところがお前は鈍いつうかなんつうか口説いてるのを嫌がらせだと思い込む始末だし」
「き、恭介さん、あれが口説いてたうちに入るんですか?」
あれは…脅しだよ。
「ん?違うとでも?人に頭を下げない俺がどんだけお前に頭を下げたか」
また片眉上がってるし。
てか、頭を下げてもらった覚えはないよ。
そんな私の顔を見たのか
「はぁ~俺って本当に可哀想。こんな馬鹿な鈍い女に惚れて」
『惚れて』は嬉しいですけど
「馬鹿で鈍い女で悪かったですね。でも私も可哀想です」
「ん?」
「こんなどうしようもない俺様に惚れて」
なんか売り言葉に買い言葉状態。
「お前…まだ俺を『俺様』だって言うわけ?」
「違いますか?」
いつもなら直ぐに白旗掲げるんだけど、やっぱりちょっとお酒が回ってるみたいで。
「俺のどこが俺様だよ?」
「自分のことは案外分からないもんです」
「お前もな」
ま、本当に憎まれ口ばかりなんだから。
「……」
「……」