今日だけ私の貴方に【密フェチ】
「最近、どうだ?」
冷えたグラスを傾けながら貴方は言った。
「んー、特に何も。変化のない毎日ね」
「そんなのつまんないだろ。彼氏くらい作れよ」
カウンターのグラスを弄ぶ指先。
「興味ない」
「もったいないな。見た目はいいのに」
今度は親指でグラスの水滴を拭っている。
「悪かったわね、見た目だけで」
「ははは!でも高校の時は随分モテてたじゃないか」
そうね。でも肝心の人からはモテなかった。
「昔の話なんてしてもね」
「……俺にとっては大事だよ」
貴方にはあの子がいたからでしょ。