今日だけ私の貴方に【密フェチ】
「指輪、綺麗ね」
貴方が左手を私にかざす。
「まだピカピカだろ?」
私は貴方の指輪に触れる。
「中にイニシャルとか入ってる?」
「ん?入ってるよ」
貴方は簡単に指輪を外して見せてくれる。
「ホントだ。ね、手貸して?」
「え?」
私は彼の手を取り、その薬指に指輪をはめた。
「……何か、お前と結婚したみたい」
「バーカ」
そう出来たらどんなに良かったか。
ムカついたから仕返ししてあげる。
「ねぇ」
私は自分の手を、貴方の手に絡めた。
「お、おい……」
冷たかった貴方の手が、熱く汗ばむ。
「今夜だけ、私の物になってよ」


