運命‐サダメ‐



結局、子供のことどころか、「好き」と自分の気持ちを正直に伝えることすら出来なかったけど。




「子供も、大丈夫でしたか?」




少し遠慮がちだったけど、はっきり聞かれた。




「聞かれたのですか?」



「入院して、少ししてから聞きました。
月島彰吾くんとの子だろうと」




他の人から彼の名前を聞くと、今でもドキッとしてしまう。


そして、泣きそうになるんだ。


この何ヶ月もの出来事が、全て夢だったのではないかと。




< 187 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop