変わった二人の変わった戦い【短編】


『美月っ待ってや』


馴れ馴れしく名前を呼ばれ
更にイライラが溜まる


無視して歩くも
ずっと横を歩くそいつに


『あんたしつこい!坂上が今まであった男ん中で一番うざい!』



立ち止まって周りの事なんか考えず
自分の苛立ちを
感情のまま当てつけた


呆然と立ってる坂上
周りはチラチラ見ながら
通り過ぎたり
笑って過ぎてったり


言わんかったら良かったわ…

また失態…



『やっと名前呼んでくれたな~俺嬉しいわ』



ニコッと笑って
トンチンカンなことを言ってくる


『はっ!?』


その言葉に一気に体から
力が抜ける


なんなんこいつ…?

今まであった男ん中で
一番理解できひんタイプや



『…もぉええわ…うちがアホやったわ』


軽くため息をついたあと

ゆっくり学校へ歩き始めた
うちをまた付いて歩いてくる


やけど言うても無駄やから諦めた




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