変わった二人の変わった戦い【短編】



『もしかして俺が男ん中で名前呼んだん始めてやったりするんちゃん?』


朝からうざいテンションで
ずっと話しかけてくる


耳障り

セミよりうるさいん違うこいつ


『……うるさい』


『いや~まぢで?俺初めての人やん』


も~…アカン
こいつは苦手や
なに言うても効かんし伝わらんし
第一普通あそこまで言われたら
怒るやろ?


侮辱されとんのに
なんでヘラヘラヘラヘラ
笑ってられるんか分からんわ…



教室に着いてずっと
付いてきてた坂上も
やっと離れて席へ行った



『美月?あんた珍しいね男と一緒って』


『亜矢さん…助けて下さい…うちやっかいな奴に関わられたのです』


昨日の帰りからあいつの事を
すべて話した後


『坂上おもろい奴やね、美月が苦戦するくらいやから手ごわいんやね』


なんて面白いもんでも聞いた
みたいな顔してる



今までなら
しつこく迫る男に対して
“うざい男嫌いやねん”
言うたらもう寄り付かんかった


逆に言いかえしてくる男もおった

そんなもんや思ってたから
あいつに対する対処法が分からん




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