変わった二人の変わった戦い【短編】
『どうしたらいいと思う?』
『いい機会なんちゃう?美月の男嫌い治す』
『亜矢~…うち男いらんねんて』
チラッとあいつの方を見る
いつもの光景
エロ本に群がるハイエナの姿
『やばぁ~みぃちゃんの水着ヤバいよなぁ』
なんてやっぱり最低…
女の裸なんて見て
何が良いのかほんま分からん
『亜矢…亜矢はなんで彼氏さんと付き合ったの?』
素朴な疑問
やけどうちからしたら
ミステリーなこと
『ん~…淳から告られたからね、振ってもアピールしてきてなんか可愛くなって…』
『可愛く?』
思い出すように笑う亜矢
『ほら、犬みたいじゃん?手懐けたら面白そうだったし』
まぁ…
二人を見たら分からないでもないけど
毎日昼休みに遊びにきてて
口開けば“亜矢”って
『でも段々気に入ってさ』
『ふーん』
『美月にゎ無理そやけどな恋愛なんて』
無理か、
まぁ男嫌いやし別に関係ないけど
だって結局は浮気したり
傷つけるだけ
母みたいにはなりたくない
うちが小さくて
父親が出ていったばっかの
いつも隠れて泣いてた母には