変わった二人の変わった戦い【短編】
『聞いていい?坂上…なんか悩みあるやろ』
『え?』
『この前…兄弟の話ししたら悲しい顔しとったやん』
あぁ…
うちゎ何言うてるんやろか
そんなん男なんか
興味ないはずや
男なんか嘘ついて
裏切るんやから
…やけど気になってしもた
『…俺に悩みなんかあらへんよ~』
一瞬、悲しいような
なんとも言われへん顔したんを
見逃さんかった
『男嫌いなうちぢゃ無理やわな』
多分きっと
うちのことかわええ言うたり
ひっついてくるんゎ
宣戦布告したから
うちを惚れさせる為だけ
気づいて良かった
あやうく優しい演技に
騙されるとこやった
悩みなんて言わんへんのが
その証拠や
『……聞いてくれる?俺…初めて話すから上手く話せんかもやけど』
『え?話すん?』
『ん?美月やったら…俺話せる』
美月やったらって
なんでうちやったら話せるん
よくわからんゃうちゎ特別…?
『俺な…親おらんねん』
『え?でもオカンって…』
『うん、血の繋がってない親な』
あ…そうやったんや…