変わった二人の変わった戦い【短編】
そう思ったら体が
勝手に立ち上がって
屋上から逃げ出してた
いつの間にチャイムなってたんか…
廊下には誰もおらんかった
『美月待って!』
後ろから聞こえる声から
逃げ出したくて必死に走る
アカンねん…
うち怖いねん
認めてしまったら
どうせ苦しむのゎわかってるから
オカンみたいに泣きたくない
うちゎ
開いてた教室に逃げ込む
坂上が入ってこやんこと祈って
一番隅っこに逃げた
でもガラガラと開くドア
教室ゎ演劇部用の教室やったんか
暗幕がカーテンになってて
昼やのに薄暗い
だんだん近づいてくる坂上
『美月…』
座り込んでるうちの前に
ゆっくりしゃがみこんだ坂上
薄暗いけど分かる坂上の顔
『なんで逃げんの』
『……うち…変やねん』
『変…?』
坂上はうちの頭を撫でて
ゆっくりでええよと
優しく言うてくれる
そういう優しさも
今のうちを余計苦しくさせる
『うち…苦しいねん…心臓…痛いんよ』
もうわけわからんくなって
言うてることもパニックで
目からゎ涙が溢れてきて
顔グチャグチャ…
『坂上…見たら…苦しいっー…ここ…早くなる…』