変わった二人の変わった戦い【短編】
『聞いてん?山下』
ブツブツ一人ノリツッコミをしてたうちに
覗き込むようにして見てくる。
『なんやねんな、用事ないんやたら話しかけんといて』
窓の方を向きそう伝えた自分。
言っただけ有り難いと思ってって話しやわ。
『冷たいな、てか山下って俺の名前絶対知らんやろ』
うん。
逆になんで知る必要がある?
そんな無駄な暗記するくらいなら
動物の名前でも覚えるわ。
『俺は坂上 颯斗、颯斗でええで美月』
自己紹介とか要らんのにしてくるし
呼び捨てやし…でさすがに睨んでしまう。
アカンは、
うざいわ…うざすぎやわ!
こういう軽いノリも
ほんま腹立つしうざい。
『あんさ、聞いてないし呼ばへんし名前で呼ばんといて』
『んな事いいなって~可愛い顔台無しやで』
……は?
予想外の言葉に一瞬動きが止まる自分。
今なんて言うた?
可愛い?台無し?
『ん?もしかして初めて言われた?』