変わった二人の変わった戦い【短編】
男なんかに可愛い言われても嬉しくないっての
しかも初めて言われたからってなんやねん…て話しやし
寒気がゾゾッと背中をはしった後
我に返ったうちわ
『あんさ、どうせやから言うとくけど、うち男嫌いやから』
そう忠告してあげた。
『なんで?』
なんでって…
なんでこいつに言わないとあかんわけ
『言わへん』
そう言って着いたバス停におりる
バスの中からこっちに向かって手を横に振ってる
あぁいう軽いノリ、
女たらしそうな男が
なによりダイッキライ!
原因は理由は些細な事
母親が父に浮気され挙げ句借金作って
何も言わず行方をくらまして逃げ出した
一番上の長女のうちは
母の愚痴をいつも聞いてきた
だから男の良いとこなんて聞いたことないし
自分の父親がそんなんだったって事に
苛立ちと悔しさがある
それだけじゃない
下には小学3年生の弟と妹が二人おる。
母は当たり前に仕事だからうちが母親役でお世話。
だから男なんて関わる時間なんてない。
漫画でよくあるシチュエーションや。