卓上彼氏






私は言われるがままにディスプレイに手のひらを当てた。






じんわりと機械の熱が伝わってくる。






ただ、いつもより温かい気がした。






「————これが、俺が今みかみをどれだけ思ってるかのあったかさ」





その熱は、体温より温かくて、でも決して火傷してしまうような鋭いものでもなくて。





ただ触れているだけで安心できるような、そんな温かさだった。







「うん…ありがとう」






まったくヨクにはかなわないなぁ~…。





私はもう片方手のひらも画面に乗せて、瞳を閉じた。







「みかみ………愛してるよ」






「もう……ヨクはプレイボーイだなぁ」







私は瞳を閉じたまま、おでこをコツンと画面に当てて笑った。



< 156 / 221 >

この作品をシェア

pagetop