卓上彼氏
「花園ってさぁ、誕生日、いつ?」
彼は放課後、いきなりこんなことをきいたのであった。
彼とは、藤堂くんのことである。
「なんでいっつも放課後絡んでくるわけ?話すならクラスで話せばいいじゃん」
別に藤堂くんに何かもう怒っているわけじゃないのに、相変わらずまたつっけんどんな態度をとってしまう。
「だってクラスで下手に絡んだりしたらあいつらに冷やかされんだろ?花園いやじゃねーの?」
あいつらとはクラスの男子のことである。
「私は別に」
私にはヨクがいるから勘違いされても痛くも痒くもない、という意味で言ったのだけれど、藤堂くんはヨクの存在を知らないのだということをすっかり忘れていた。
「えっ…や……花園がそういう風に見られていいってなら………いいんだけど…//////」
藤堂くんは私が『藤堂くんと付き合っているって噂されても良いよ』という意味で言ったと勘違いしたらしく、耳まで紅くしていた。
「あれ?もしかして藤堂くん照れてますかー?」
私が藤堂くんの顔を覗き込むと、
「照れてねーしっ!!ってか誕生日いつなんだよ答えろよ!」
と彼は慌てて耳を覆った。