卓上彼氏
ははぁ~ん、藤堂くん照れると耳が紅くなるの気にしてるのね。
私は藤堂くんの弱点を握ったような気がして得意になった。
「誕生日はまさに今週末!28だよ。単身赴任のお父さんが久しぶりに帰ってきてお祝いしてくれるの!!!」
『へぇ、良かったじゃん』とでも言ってもらえると思って自慢気に話したのに、藤堂くんはしょんぼりしたように見えた。
「…なんか落ち込んでる?」
「まさか!」
藤堂くんはばっと私から離れた。
「もしかして……私の誕生日お祝いしてくれようとしてた?」
その途端、また藤堂くんは両耳を隠した。
その行為から読み取れる答えは『Yes』。