卓上彼氏
————結局なんだかんだ、藤堂くんって優しいよね。
私はその絵に描いたような彼のツンデレ具合に笑ってしまった。
きっとゆりと私が仲がいいことを考慮して計画してくれたのだろう、悪いことをした。
けれど、そんなお誘いにも未練が無いくらい私は父に会えることを楽しみにしていた。
多分見た目は歳も歳だしそんなに変わってはいないと思うが、それよりなにより三年分の積もる話がある。
学校のこと、友達のこと、勉強のこと————…。
きっとすぐにまた父は赴任先へ戻ってしまうだろうと思ったから、忘れないうちに話しておこうと思ったことはメモするようにしていた。すぐにまとめて短時間で話ができるように。