ミックス・コーヒー
 ふと、貴之は思った。

 ……もしかして、家庭環境が似ている、と考えているのだろうか。

 貴之は両親を亡くしている。
 美葉は、母を亡くし、父とは現在疎遠状態だ。

 そのことを言っているのだろうか。

 そして、そう考えると、美葉が自分や尚樹に甘えてくる理由も見えてきた気がする。
 


 たぶん、今夜も、美葉はいつの間にか貴之の布団に潜り込んでいるのだろう。

 明日は、また店の手伝いをしてくれるだろうし。

 貴之が歩き出せば、早足で後をついてくるだろう。



 美葉は貴之と一緒にいたい、と思ってそうするわけで、貴之はそんな美葉をまた可愛いと思ってしまうのだろう。

 正直、貴之はそれに悪い気はしないが、少し……いや、かなり複雑な気持ちだった。


 一体、なぜこんな気持ちになるんだろう。

 なぜなんだろう。
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