ミックス・コーヒー
「久しぶり……うん。……え、ここ? ここは……」

 美葉が、あのイカちゃんとなにやら親しげに話している。
 貴之は目の前の光景が信じられなかった。

 尚樹は、呑気に「すげーなー。美葉って芸能人に知り合いいるんだー」などと言っている。



 少しして、美葉が受話器を置いた。

「今日、夜にお客さん来ることになったけど、いい?」

「え、それってまさか……」


「うん、イカちゃん」



 貴之の叫び声が、店の外にまで響いた。
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