ミックス・コーヒー
「まさか、こんな所にいたとはね。わかるわけないよ」

 美葉は、これまでのことは時期を見て徐々に話していこう、と心の中で静かに思った。

 話を変える。
「いつから芸能人になったの?」

「スカウトされたのは、三年くらい前だけど、実際にモデルとかやり始めたのはここ一年くらい」

「スカウトとか、すげーな」
 貴之が溜息混じりに呟いた。



「……利用できる物はなんでも利用しようと思ったの。それが<芸能界>でも」

 ミクリの目つきが変わった。

「それってどういうこと?」
 美葉は首を傾げた。

「芸能人になるなんてこれっぽっちも興味なかったけど、あたしの目的を達成するためには、芸能界に入ることは都合が良かった」
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