ミックス・コーヒー
   ③

「おっすー」
 特に、他にすることがなかった尚樹は、いつものように貴之の家に遊びに来ていた。 

「あ、尚樹! おまえ、昨日帰りどうだった?」
 開口一番、貴之が座っていたソファから身を乗り出して聞く。

「どうだったって?」
「イカちゃんだよ、イカちゃん」

「別に、普通だったけど。あ、今一緒におれんちで朝ご飯食べてきた」

 えーっ!!と貴之が叫ぶ。

「ど、どういうこと? 昨日泊まったの?」

「いや、違うくて。昨日は普通に帰って、今朝コンビニでバッタリ会ったんだよ。それだけ」

「それだけ、って……」
 貴之は、納得できない、という表情をした。

 一方、尚樹はそれを特に気にする様子もなく、テレビを観ていた美葉に話しかける。
「もう、ご飯食べた?」

「うん。貴之の作った微妙なヤツ」

「おいっ! そこ! 聞こえてる聞こえてる!!」
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