ミックス・コーヒー
「おれはミクリを守りたい。そのかわり、君にはおれの傍にいて欲しい。そしたら、おれも強くなれるから」

 尚樹が、ミクリの柔かい髪を撫でる。

 ミクリの目からは、堪えきれなくなった涙が、再び溢れ出す。



「……彼氏になって、いい?」



 唇を軽く噛み締め、ミクリは小さく頷いた。

 それを見た尚樹の目元が、細くなる。



 ゆっくりと尚樹の唇が、ミクリの唇に触れた。


「これも、彼氏になりたかった理由の一つ」

 尚樹が、無邪気に笑う。


 それに、ミクリも、久しぶりの笑顔を見せた。
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