ミックス・コーヒー
「シゲ、おまえは何にする?」

 優哉がシゲに尋ねると、すかさず美鈴が右手を元気良く上げた。

「ヘイ! マスター!」

「なんでおまえが答えるんだよ!」
 不本意な状況に、シゲが思わず声を上げる。



「マスター、いつもの<ミックス・コーヒー>ちょうだい」



 シゲが大口を開けて笑い出した。
「なんだよ、それ! 気持ちワリィ!」

「しかも、いつものってなんだよ、美鈴。さも、当然、みたいな」
 誠も笑っている。

「優哉と私だけの秘密だもん。ねっ」

 美鈴のウインクに、やれやれ、と優哉が頭を掻く。
「さすが、芸人だよな。かなわないよ」

 そして、笑った。
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