ヴァンタン
フォアマストの横に煙突があった。
一瞬潜望鏡かと思った。
――馬鹿が私は……。
――潜水艦でもないのに。
一人で笑いをこらえた。
――一体これは何なのだろうか?
好奇心が揺すぶられる。
本当は怖い筈なのに……
何か灯りが無いか調べてみた。
でも見当たらなかった。
その時閃いた。
携帯電話なら明かり取りになると。
私は早速、ポケットに手を入れた。
――あれっ!?
何時の間に?
それはチビの枕元で見つけた手鏡だった。
――そうか。チビが持ち込んだ訳じゃなかったんだ。
――ま、勘違いって事もあるさ。
私は何故か開き直った。
もう一度ポケットを探す。
取り出した携帯電話……
――そうか。
この為に、此処に来る為に防水だったのか!?
――雅との長電話の為じゃなかったんだ。
私はすっかり忘れていた筈だった。
でも本当は知っていて……
私は全てがこの為だったと思いながら、携帯のカバーを開けた。
まず節約の為に、照らす時間を一番短く設定する。
――大丈夫。大丈夫。
この携帯さえあればきっとうまく行く。
私は自分に言い聞かせていた。
一瞬潜望鏡かと思った。
――馬鹿が私は……。
――潜水艦でもないのに。
一人で笑いをこらえた。
――一体これは何なのだろうか?
好奇心が揺すぶられる。
本当は怖い筈なのに……
何か灯りが無いか調べてみた。
でも見当たらなかった。
その時閃いた。
携帯電話なら明かり取りになると。
私は早速、ポケットに手を入れた。
――あれっ!?
何時の間に?
それはチビの枕元で見つけた手鏡だった。
――そうか。チビが持ち込んだ訳じゃなかったんだ。
――ま、勘違いって事もあるさ。
私は何故か開き直った。
もう一度ポケットを探す。
取り出した携帯電話……
――そうか。
この為に、此処に来る為に防水だったのか!?
――雅との長電話の為じゃなかったんだ。
私はすっかり忘れていた筈だった。
でも本当は知っていて……
私は全てがこの為だったと思いながら、携帯のカバーを開けた。
まず節約の為に、照らす時間を一番短く設定する。
――大丈夫。大丈夫。
この携帯さえあればきっとうまく行く。
私は自分に言い聞かせていた。