モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
つい数時間前にも、
彼女の部屋の方から
派手な音が聞こえてきた。

従僕が指示を仰ぎに
来ないところをみると、
凍夜が何とかしたのだろうが。

口先だけの人間が嫌いな
ノークスは、言ったことは
きちんと守ってくれる
姫乃の実直な性格が
実はそんなに嫌いじゃない。



しかし。



「手に負えないからって
追いだそうとしても、絶対に
出て行ったりしないから
覚悟しておいてね。」


…こんな有言実行はいらない。


暗に何かやらかすから、という
意図の込もった彼女の宣言を
思い出して、ノークスは
ため息をつきたくなった。
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