モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~

ズクット―凍夜

ズグットは、普通の鳥と
比べると、だいぶ変わった
形の鳥だった。

ふかふかした毛に覆われた
大きな卵に、翼がついている。

凍夜にはそんな風にしか見えない。

その翼にしても、明らかに
他の鳥とは形も用途も
ちがう気がする。

モントリヒト城の屋根の上に
止まっていたズグットは、
気配を消して近づいた凍夜に
気付いた途端、飛んで
逃げるかと思いきや、
ずんぐりとした翼を
棍棒のように振り回し、
奇声をあげながら猛スピードで
向かってきた。

翼を武器として振り回す鳥など、
もはや鳥と呼べるのかと、
凍夜は疑問に思いながら、
ズグットの突進をかわし、
すれ違いざまに手刀で落とす。

いくら攻撃的な変異を
遂げていようと相手は
所詮鳥なので、
凍夜にとっては取るに足らない。
< 124 / 726 >

この作品をシェア

pagetop