モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~

諦め―姫乃

激情に任せて、自分の
心中を吐露して
しまったことは、
少なからず姫乃の
心を楽にした。

絶対に知られたくないと
心にしまい込んだ
モノを言わされた
ことには屈辱を
覚えたが、
そのおかげで
凍夜がちゃんと
食事をしていると
思えば、その感情は
あっさりと消えた。


凍夜の食事と、
隠していた心中と。

これで姫乃の悩みは
晴れたのだから、
もう、二度とあんな
嫌な息苦しさを
味わわずに済む。

そう思うと、
本当に心が楽だった。

まるで、血と一緒に
全部吸い出されて
しまったかのように、
心が空っぽに
なったようで。
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