モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「凍夜がお母様を
手にかけた原因が、
自分にあるとずっと
自分を責めて
きたんでしょう?
…だったら、
凍夜があなたを
どれだけ大事に
思っているかも、
わかるはずだわ。」

「…。」

「そんな大事な
弟まで手にかけて、
それであの人が
幸せになれると、
あなた本気で思ってる?」

静かに問いかける
姫乃の言葉に、
ノークスは返す
言葉を失った。

「…ねぇ、ノークス。
死んで許される
罪なんてないのよ。」


なんのことはない。


凍夜の為と言いながら、
結局、ノークスの
していることは
すべて自分の為で
しかなかった。

自分の都合だけしか
頭になかったことに、
今になってノークスは
気付いた。

言葉を返せない
ノークスに、
姫乃はただただ
静かに語りかける。
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