モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「なにぼーっと
してるの?
早くいきましょう!」

姫乃はノークスの
腕をつかみ、
急かすように
歩きだした。

「は?」

「沙羅のところよ!
早く謝りに行くの!!
大丈夫よ、きちんと
謝れば、あの子は
ちゃんと許して
くれるから。」

姉妹揃って
同じような
ことを言う。

「なにしてるの、
ノークス。
時間がもったい
ないわ、早く…。」

立ち止まった
ノークスを
叱責する姫乃の声が
途中で途切れた。

「…行くにしても、
どうして僕が
あなたと一緒に行く
必要があるんです。
僕が謝るところを
あなたに見られるなど、
冗談じゃない。」

手刀を受けて倒れた
姫乃を支えながら、
ノークスは気まず
そうにそうつぶやいた。
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